ヒラタクワガタは、気が荒く、縄張り意識が強く、動くものを攻撃する習性がある様です。
そのため、ペアリングをする時でさえメスの命を奪うこともしばしばだと聞いています。
ヒラタクワガタのペアリングが上手くいくためのポイントは、「オスの顎の固定」だといわれています。
ヒラタクワガタのオスの顎の固定について調べます。
ヒラタクワガタの顎
昆虫には、それぞれ違う身の守り方がある様です。
それは、その昆虫の本能であり「毒針を持つ」や「悪臭を放つ」、または、「動くものに対して即座に逃げる」などの方法で身を守る種類もいれば、ヒラタクワガタ(クワガタ類)の様に、いかなる時も「敵から身を守るために、即座に威嚇する、または強い顎で襲いかかる」ことで身を守る種類もいる様です。
ヒラタクワガタは、目の前に何かが近付くと、まさにその大きな顎が反射的に動くそうです。
顎の動き方には、クワガタの種類によっていくつかのタイプがある様ですが、ヒラタクワガタは、その中でも最も危険な動きをする様です。
動くものが現れたら、たいてい次の行動を見せるということです。
①顎を最大に広げて、相手を威嚇する
②相手が引かなければ、襲われる前に襲う
③相手を挟んで、持ち上げ、投げ飛ばす
これらの反応(本能)から、人間は昔からクワガタを「クワガタ相撲」として戦わせた歴史があり、勝ち負けを楽しんでいた様です。
ヒラタクワガタの顎の固定
ヒラタクワガタを「戦いの戦士」としてだけなら、反射的に動く顎は強い方が良いのですが、ペアリングの相手としては「戦士の顎」は邪魔になる様です。
そこで、メスの安全を確保するために、飼育者はそれぞれに顎を固定することを考えました。
顎を固定する方法
- 輪ゴムを使う
- 結束バンド1本でしばる
- ビニールテープを巻く
- クルーガンで糊付けする
- 結束バンドを3本使ってしばる
これらの方法が試された様ですが、どの方法もオスは外そうとして、もがくそうです。
そして、目を離した隙に、気が付くと外れていることがほとんどだったということです。
そんな中でも、最も安定していたのは「結束バンド3本でしばる」方法の様です。
結束バンド3本使ってしばる(固定する)方法
- 2本の結束バンドで個体の顎が入るほどの輪を作っておく
- それぞれの結束バンドを個体の大顎の上(根元に近い箇所)まで通す
- 3本目を先に通した結束バンド、2本に通し輪を作る
- 大顎まで通した結束バンドを大顎に引っかかって抜けない様にしぼる
- 3本目の結束バンドをしぼる(「オスに負担がかからない」「オスのストレスにならない」「メスを挟めない」などの位置まで)
- 余分な結束バンドの端を切る
まとめ
ヒラタクワガタの顎は、動くものに対して反射的に動く仕組みで、それはヒラタクワガタに備わった「敵から身を守るための本能」であることが分かりました。
ただ、その本能もメスとのペアリングでは、メスの命を奪う恐ろしい武器であり邪魔であることも分かりました。
ペアリングの時には、オスがメスを襲えない様、「顎を固定する」方法が考えられ、その中でも結束バンドを3本使う方法が最も個体に負担をかけない方法として、今では一般的だということでした。