ニジイロクワガタは、冬眠しません。
通常、成虫で越冬します。
しかし、原産地が赤道近くのオーストリア北東部やニュウギニア南部なので、温度が低くなると活動が鈍くなります。
日本国内のブリーダーの飼育報告によると、成虫でも幼虫でも卵の状態でも温度管理をしっかりすれば越冬するようです。
しかし、冬季の羽化は、大変まれであるといわれています。
飼育容器内を18℃以上に保つことができれば、幼虫はエサを食べ続けて大きくなりますが、常温管理下では、幼虫はある程度の寒さに達すると越冬状態になりエサを食べなくなります。
そのため幼虫の成長は止まります。
それ故、蛹になる個体が少なくなくなり、結局、羽化する固体も少なくなってしまうのです。
ニジイロクワガタが越冬する場合、飼育容器内を15℃以上に保つ必要があります。
10度以下になると危険です。
冬は乾燥対策も重要です。
適切に湿らせた飼育マットを飼育容器に敷き詰めます。
そのマットが乾燥した場合、霧吹きなどで水分を補給する必要があります。
冬の羽化
冬場、万一蛹が羽化したら、そのままなにもせずに見守りましょう。
羽化した成虫は、成熟しても蛹室から出ずに「越冬」するはずです。
掘り出して人工蛹室に入れるようなことはしないほうがいいでしょう。
蛹室は、人間が考えるより「越冬」に適していると考えられます。
まとめ
ニジイロクワガタの原産地は、赤道付近です。
そこは一年中高温なので、ニジイロクワガタは本来時期に関係なく一年中羽化する種であろうと思われます。
四季のある日本だからこそ、冬場の羽化を避けているのでしょう。
それは、体内の温度センサーが作動して「冬」を認識し、ニジイロクワガタの活動を制限し、加えて成長さえも止めているのです。
そうだとすると、原産地で作動していなかった能力が日本で発揮されていることになります。
適応力がある昆虫ですね。
環境に適応して「越冬」し、昆虫としては長生きしているのです。
色が美しいだけではなく、その生態にも興味が引かれます。