世界で一番美しいクワガタとして有名な、ニジイロクワガタの生息地はニューギニアとオーストラリアです。
しかしニューギニアでは捕獲禁止区域にしか生息しておらず、オーストラリアでは国外に持ち出しができないので、日本で出回っているのは日本国内でブリード(繁殖)されたものです。
このとても美しいクワガタをどうしても手に入れて増やしたいのであれば、いかにしてブリードを上手く行うかにかかっています。
そこで今回はニジイロクワガタのブリードを行おうとしている人のために、いつすれば失敗なくブリードができるのか、その時期について説明しましょう。
確実に繁殖できる成虫になっているか見極めるには
クワガタも決まった季節で繁殖をしますが、そこに人間の手が加わっているとどうしても時期にズレが生じてきます。
それにクワガタは成虫になると変化があまり見られないので、どのタイミングでブリードを開始すればいいのかは悩むところです。
クワガタは成虫の姿になっていれば、いつでも繁殖が可能な昆虫ではありません。
特にクワガタは少し厄介で、サナギから羽化して成虫になったとしても、それから繁殖が可能となる成熟した状態を知るためには後食を確認する必要があります。
後食とは
カブトムシやクワガタはサナギから羽化して成虫になっても、直ぐにエサを食べるという行動は起こしません。
一定期間を経過してから少しずつエサを食べるようになっていき、それから日ごとに食欲が旺盛になっていくのです。
そして後食というのは、この成虫になってから期間を空けてエサを食べ始める行動のことを言います。
後食を始めるということは成虫として活動を開始しだしたとみなされるため、更に食欲が旺盛になっていけば成熟した状態になるのです。
後食してからブリードに最適な時期とは
ブリードを確実に行いたいのであれば、この後食した時期がとても重要になってくるので必ず覚えていて下さい。
ニジイロクワガタの成熟期間は後食を開始してから3か月程度です。
つまり後食をしてから3か月を過ぎれば繁殖可能と言っても間違いではないのですが、あまり早くブリードを行うと失敗するだけです。
ニジイロクワガタは比較的寿命が長いので、焦って早い時期にブリードを行わない方がいいでしょう。
ブリードに最適な時期は後食してから5か月から6か月を経過した頃です。
あまりに早すぎると発情しなかったり、うまく繁殖できて産卵してくれたとしても無精卵になりやすくなります。
まとめ
この美しいニジイロクワガタはマニアにとっては垂涎の憧れです。
しかし簡単には入手できず、日本で個体を増やすには人間による人工的なブリードが必要です。
生命というのは、どんなに小さな体をしていても大切なものです。
自分が新たな命を育むのですから、ブリードを行う人もそれだけ重い責任があることを自覚して行って下さい。