生命を持っているものは動物でも植物でも、子孫を残すために行う繁殖に最適のタイミングというのが決まっています。
その時期を逃すと繁殖が失敗に終わってしまい、子孫の誕生は困難になってしまう可能性はとても高くなっています。
ニジイロクワガタもこの生物の営みを行っているので、繁殖するための時期は限られているので、日本での個体数を増やしていくためにも繁殖は成功させていかなければいけません。
声を出すわけでも動作としてその時期を示してくれるわけでもないので、この時期を見計らって繁殖を成功させるのは飼い主の判断に委ねられているのです。
ニジイロクワガタが繁殖が可能になる時期とは
クワガタは成虫になればいつでも繁殖ができるというものではなく、どんな個体であっても成虫として一定の期間が経過して体が成熟してくれなければ、たとえ繁殖ができたとしても卵が無精卵であってりして、結局は失敗に終わってしまいます。
成熟したかどうかを判断する基準は後食といって成虫になってから餌を食べだすタイミングが重要になっていて、この後食した時期から成熟の度合いを判断することになります。
ニジイロクワガタの場合は後食をしてから三か月程度で成熟したとみなされますが、早すぎて繁殖が失敗してしまう危険性と生育期間の長さから考えて、後食して5か月から半年を経過すれば繁殖に最適と判断していいでしょう。
ニジイロクワガタは同じ産卵で生まれた者同士では成虫になる時期もそんなに違わないので、この同時期に成虫になったオスとメスで繁殖すれば共に繁殖可能な時期だと言えます。
繁殖と季節との関係性
自然界に生息している生物は季節によって自分のサイクルというものを知っていて、繁殖にしても同じ季節に一斉に行うのが通常となっています。
しかし人間のいる環境で繁殖され、それが何世代にも渡るとこの自然界の法則が崩れやすくなっています。
つまり春先に生まれた個体もいれば、秋になって生まれた個体も出て来るということです。
ニジイロクワガタは自然界で誕生した個体が日本に入ってくることがないので、日本に現存する個体はほとんどが人間が繁殖したものです。
そのために日本にいるニジイロクワガタは、季節ではなく別のもので繁殖を決めています。
ニジイロクワガタは温度が23~25℃の環境を好み、この温度と自分の体の成熟度が合っていれば繁殖を行います。
どうして季節に誤差が生じたのかというと、人間の手が加えられれば温度管理は簡単なので、繁殖が失敗してもまた別の個体で繁殖ができるので違いが生じてきたのです。
繁殖は一度行っていればそれで十分なのですが、相性があってどちらか一方が繁殖を嫌がるケースがあるので、その場合にはペアを解消して別の個体で試す方が賢明です。
繁殖の確認方法
ニジイロクワガタは繁殖についてはオスは積極的なので、ペアの相性や繁殖をしたのか確認するためにはメスの動きを見なければいけません。
相性については繁殖をしようとしてオスがメスの背中に乗ろうとしますが、それに対してメスが逃げるような動作をすると、このペアはあまり相性がいいとは言えないのです。
同じケージにオスとメスを入れて、このペアが仲良く餌を食べていたり、寄り添っていて仲良くしていれば繁殖を行ったと判断してもいいでしょう。
ニジイロクワガタといってもその行動は人間と遜色がなく、仲が悪ければケンカをして、仲がいいと寄り添うものなのです。
繁殖が確認されたら一日か二日程度同居させた後、オスは産卵に邪魔になってしまうので別のケージに移動させて下さい。
そうすれば、メスは安心して産卵に集中できるようになります。
まとめ
オスとメスが繁殖のためにカップルになることをペアリングと言いますが、このペアリングは時期と相性がとても重要になってきます。
この相性と時期が共に合っていなければ産卵して再び子孫を残すことができなくなるので、その判断を下す飼い主は重い責任を担っています。
繁殖というのはどんな生物でも簡単ではありません。
そのための努力を怠ることなく、新たな命の誕生のために努力を欠かさないことが大切です。