「昆虫採集で捕まえたい昆虫」はといえば、子供に人気のカブトムシとクワガタでしょう。
ですが、昼間にいくら探してもほとんどの場合、見つかりません。
彼らは「夜行性」なのです。
彼らの体の色は、黒いですよね。
ですから、闇に紛れて活動した方が、身の安全のためにはちょうど良いのだそうです。
一方、ニジイロクワガタは、その名の通り虹の様に鮮やかでキラキラ光る体の色をしています。
ニジイロクワガタも同じく夜行性なのでしょうか。
調べてみます。
甲虫と太陽の熱の関係
私達がよく知るカブトムシやクワガタムシは、どの個体もたいていは体の色が「黒」です。
黒は、熱をよく吸収する色だといわれています。
そんな中、茶色や赤茶色の体の色の個体を見つけることがあるかも知れません。
この個体は、「熱の吸収率が黒ほどではないから活動できる」と考えられている様です。
体の色が黒い個体が昼間に活動すれば、自分で体温調節ができない彼らの体温は上がり過ぎて、命を落としてしまうといわれています。
ですから、この種類の個体は、たいてい木陰や樹木の割れ目に潜んで、じっと夜を待っているのだそうです。
ニジイロクワガタの体の色
ニジイロクワガタの体の色は、この様な甲虫類とは違い、タマムシに似た美しく光る、比較的鮮やかな色をしています。
自然界でのニジイロクワガタの体の色は、おおむね緑色が基調となっている様です。
この光る鮮やかな色は、熱を吸収しにくい(=太陽を反射する)ために、体温を上がりにくくする役目があり、結果、昼間でも自由に活動することを可能にしている様です。
また、一方では、樹木の緑の中で、天敵などから身を守る「保護色」にもなっているのではないかと考えられている様です。
この様な理由から、ニジイロクワガタは夜行性ではなさそうです。
まとめ
カブトムシやクワガタの体の色がおおむね黒いのは、太陽の熱で体温が上がり過ぎるのを防ぐことと、闇に紛れて活動する時の「保護色」の役目があることが分かりました。
一方、ニジイロクワガタは、夜行性ではなさそうでした。
昼間の活動を可能にしているのが、あの名前の通りの虹色に輝く鮮やかな体の色でした。
夜に活動する種類とは反対に、あの体の色は、太陽を反射し体温を上がりにくくする役目と、自然の中に溶け込んで「保護色」の役目を果たしていることも分かりました。
ニジイロクワガタとほかの甲虫は、同じ様な活動(生き方)をしている種類ですが、その活動時期を昼間と夜に分担して、お互いを邪魔(余計な争いなど)しない様に仕組んでいるかの様な自然にも、ちょっぴり感動しました。