ニジイロクワガタはその美しさにとても注目されているクワガタですが、どうしてあれほど見事な光沢を持った外見になったのか気になるところです。
自然界でも光り輝くような外見をしている種類はとても少なく、人工的になったのではないのですから、あの色は遺伝が関係しているのは明白です。
では遺伝的にどうしてニジイロクワガタは光沢のある外見になることを選択したのか、その理由について紹介していきましょう。
動物が持っている外見の色の意味
動物は人間も同じで体の色というのは住んでいる環境に適するため、遺伝が長い年月をかけて少しずつ変化させていったものです。
人間でも太陽光線の強い場所では肌は濃くなっていき、逆に少ない地域では薄くなっています。
それと同じようなことが多くの動物では起きています。
変わった模様の代表というべきシマウマですが、あの模様は草や木々の多い場所では迷彩のような効果になるため、狙って来る敵に対して自分の姿を隠す効果があります。
動物が外見の色を変える最大の理由は、その周辺に多い色に合わせて自分の体の色を変えることで自分の身を守るためです。
人間ではあまり感じることがありませんが、自然界では常に捕食するか捕食されるかという危険が付きまとっています。
そのために自分を守るために周囲の環境に溶け込むというのは、動物からすると命に関わる問題なのです。
光沢を持つ外見の動物が少ない理由
動物にとって自分の存在を相手に知らせるというのは、自然界では絶対に避けなければいけない必須事項です。
そのために光沢がある外見では発見されやすく、ほとんどの動物はそのような外見をしていないのですが、どうしてニジイロクワガタはそんな危険な外見となったのでしょうか。
光沢を持っている動物の特徴としては外敵が少なく、メスに対するアピールとしてその色を選択したという理由もあります。
ただニジイロクワガタが生息している熱帯地域では動物の種類が多いので、それでなくてもあまり活発に動こうとしないニジイロクワガタですから、そのような色をしていたら敵に狙われるだけです。
しかし不思議なことに熱帯地域ではニジイロクワガタだけでなく、他にも輝くような色をした昆虫が数多く存在しています。
熱帯地域でそのような光沢を持った外見を会得するメリットというのは何なのでしょうか。
光沢があるからこそ敵にみつかりにくい
人間でも冬に比べて夏の太陽の光は強いと感じています。
そして熱帯地域の温度が他の地域と比較して高いのは、この太陽光線の降り注ぎ方が強いことが理由になっています。
夏場で木々の下に行くと、葉と葉の間から降り注ぐ木漏れ日がキラキラと輝いて見えます。
この状況が熱帯地域では一年を通じて行われているのです。
つまり熱帯地域では強い太陽光線が木漏れ日が光って見えるので、その環境では逆に光沢を持っている姿の方が敵に察知されにくいというわけです。
ニジイロクワガタは木が生息域なので、常に木漏れ日が降り注ぐ環境に自分を合わせるためにあのような姿になったと考えられます。
自然界では無駄なことは一切ないため、自分を美しく見せたいためだけに色鮮やかな外見になるというのは本来は有り得ないのです。
まとめ
ニジイロクワガタは生き延びるために光沢のある姿になりました。
それは人間が考えているよりも、ずっと大変な作業であったのは間違いありません。
人間は美しいものを好む性格なのでニジイロクワガタにも興味を持っているのですが、美しくなったのは自分の身を守るという生存するためにやむを得ない判断だったからです。
個体差によってあまり光沢を持たないで生まれるニジイロクワガタもいるでしょうが、外見が他と違っていたとしても大切に育ててあげて下さい。