オオクワガタは昔『黒いダイヤ』と呼ばれていました。
1990年代後半、まだ飼育法すら確立していなかった頃の話ですが、信じられない値段で取引されていました。
その値段なんと!1ペア1.000万円!!
いくらバブル期とは言え、にわかに信じがたいことですが実際当時の新聞記事を見ると、とある専門店が実際に1.000万の値段を付けたそうです…。(買い手は現れ無かったようです)
しかし当時はそれくらいの値段がついてもおかしくないほど過熱していたことが分かります。
もともとオオクワガタは天然では捕獲も難しく希少性の高い品種でした。
しかも飼育情報も乏しく飼育用品すら現在に比べると少なく、仮に専門ショップで購入しようにもかなりの高額だったのが当時の現状です。
オオクワガタブームはバブル期と重なり、異常な過熱と共に膨れ上がった市場は1999年の規制緩和で幕を閉じる事となります。
それは外国産の安価なクワガタの大量流入で価格が下落したことが原因と言われています。
価格が安定して庶民にもお求めやすくなり、より楽しむ裾野が広がったと言えますね。
前蛹(ぜんよう)とは?
前蛹は読んで字のごとく蛹(さなぎ)になる前の段階です。
オオクワガタは幼虫飼育の成長過程である『前蛹』→『蛹化』→『羽化』の流れの初期にあたる段階です。
この頃になるオオクワガタの幼虫は蛹になるための準備を行います。
そのために『ワンダリング』といって餌を食べなくなり、蛹になるための空間(蛹室)を作る行動を始めます。
気温などの環境変化や餌を食べるわけでもないのに、ひたすら容器内を移動したりしていれば蛹室を作る場所選びに入ったと思って間違いないです。
前蛹状態になる時期は?
オオクワガタの個体差、環境差などを考慮すると幅があり過ぎますが、現在主流の菌糸ビン飼育の目安としては幼虫から前蛹状態まで約8~15ヶ月掛かります。
早めに成虫にしたい方は、23℃~25℃の温度管理で育てると半分位の4~7ヶ月位に成長を早めることが出来るようです。
ただし、28℃以上の高温が続くと幼虫が弱ってしまい、取り返しのつかないことになるので注意が必要です。
また、この時期はオオクワガタにとっても非常にデリケートな時期であるため、飼育ビンへの衝撃や急激な温度変化は厳禁です。
まとめ
前蛹とはオオクワガタが蛹(サナギ)になるための準備段階となる大事な成長過程です。
飼育者は温度管理を含め、幼虫が順調に蛹になっているかどうか非常に気になるところですね。
しかし残念なことにマットに潜り蛹室に入ってしまうと、目視で幼虫の状態を確認することは難しいです。
衝撃を与えずひたすら温度管理に勤しむ忍耐の時期でもありますね。
オオクワガタの蛹の期間は約4~8週間です。
自ら元気に出てくるのを待ち感動の再開を果たしたいですね!