見た目がとても美しいニジイロクワガタ。
今回は、そんなニジイロクワガタの幼虫から羽化までの過程を調べてみました。
幼虫の飼育(蛹まで)
2令の幼虫を約5ヶ月間飼育すると蛹化し羽化します。(2令は卵から約2ヶ月後)
きのこの菌糸マット(市販のクワガタ幼虫用の飼育マット)などを約800ccの「ブロー容器」に入れて飼育します。
管理温度は23~25℃です。
夏場の高温と冬場の低温には注意してください。
蛹化前には、「幼虫の暴れ」と呼ばれる活発に活動する様子がみられますが、これは蛹や成虫になるためには必要な行動です。
3令終期になり黄色身を帯びてくると、「幼虫の暴れ」が頻繁に見られるようになりますが、10日ぐらいで蛹室を作りはじめますので、そのまま見守ってください。
蛹から羽化まで
蛹になってから適温(23~25℃)で管理できれば、蛹になってから4~8週間で羽化します。
どうしても「幼虫の暴れ」がおさまらない時は、飼育容器内の温度を管理温度から3~5℃低くしてください。
活動が鈍くなります。
羽化後、成熟すれば自力で出てきます。
無理に掘り出す必要はありません。
自力で出てきたほうが身体的に丈夫です。
それでも、掘り出す必要のある場合は、羽化確認後、体が色づいて全体が堅くなっていることが掘り出しの一つの目安です(羽化後約2週間以上)。
※ブロー容器(モノタロウより抜粋)
【特長】
液体を入れて倒してもこぼれません。外気や虫、ホコリなどを寄せつけません。本体はテーパー形状で、空の時には入れ重ねができます。容器はブロー成形で本体と口部を一体化していますので、低温に特に強いので、冷凍保存に適しています。酸、アルカリや塩分、油などにもおかされず、錆や腐食の心配がいりません。
※令(齢のこと・ブリタニカ国際大百科事典より抜粋)
昆虫の幼虫は脱皮を重ねて成長するが、そのおのおのの発育段階をいう。羽化後第一回の脱皮までを1齢、それ以後脱皮ごとに順次2齢、3齢・・・と呼び、成虫あるいは蛹になる前を終齢と呼ぶ。
まとめ
一般的に、ニジイロクワガタの成虫や幼虫の飼育は容易であるといわれています。
温度管理をしっかりしてエサ切れしないように飼育しましょう。
蛹の前に現われる「幼虫の暴れ」と呼ばれる状態に、初心者は驚いて飼育容器(ブロー容器など)から取り出そうとする場合が多いのですが、それは、10日ほどするとおさまります。
あわてずに見守りましょう。
飼育作業中に、容器を落としたりして蛹室を壊す場合があります。
人工的に蛹室を作ることができますので、蛹を注意深く取り出し人工蛹室に入れて羽化を待ちます。
人工蛹室の作り方は、「羽化・取り出し」の項に詳しく記載しています。
羽化後、羽や体の色の変化を楽しむことも、愛好者の楽しみの一つです。