今回はニジイロクワガタの産卵について調べました。
この綺麗なニジイロクワガタをぜひ自分の手でブリードしてみたいと思いませんか?
産卵セット
・成虫の寿命が長い分、成熟が遅く、羽化後3か月くらいからペアリングが可能らしいです。実際は半年くらい経った方がいいみたい。
・越冬するタイプなので、冬を越させて温かくなった頃にペアリングしてあげるのが、その後の幼虫飼育にも都合がよさそうです。現在は国内産が多いので、越冬しないのも多いそうですけど。
・プラケースの中サイズ(小でもよいらしいが、メスの逃げ場・隠れ場所の確保が必要)。
・一応、メスの逃げ場のために、樹皮などは多めにしておくとよいでしょう。
・幼虫飼育は、菌糸ビン飼育の方が大型化が期待できそうです。
・菌糸ビンの飼育の場合は6~12カ月
・目標サイズ:65mm
産卵セットの組み方
*産卵木セットでも生むが、発酵マットのみのセットで十分産卵する。
- マット産卵:お勧めは、くわマット、完熟マット、黒土マット
- セットの作り方:飼育ケースMサイズにマットを固く7分目まで敷き詰める。
その上から2~3cmほど同じマット材をふんわり式、昆虫ゼリーや転倒防止剤を入れます。
産卵数の目安:20~40個
時期:1年中可能
ペアリングの完了は確認できる?
・ペアリングの完了の確認は「難しい」ですが、メスの体に一見してわかるような特徴の変化(色が変わる・体の一部が変形するなど)が現れることはありません。
ですので、同居中のケース内で目視するか、ハンドペアリングを行うなどの方法が必要です。
同居ペアリングを開始して数日後に、オスとメスが仲良くエサを食べていたり、寄り添っているようであればペアリングは完了している可能性が高いので、ひとつの目安となるでしょう。
ペアリングの後はどうすればよいか?
・無事に完了した後は、オスが産卵の邪魔をしないように、それぞれ別の容器に移すとよいでしょう。
この時、メスをすぐに産卵セットに移してもよいが、体力の消耗が激しい産卵に備えて、3日~1週間程度は元の成虫飼育の容器で高タンパク質の餌を与えエネルギー補給の期間を摂ってあげるのも良いでしょう。
たんぱく質を配合したゼリーが市販されていますので、それを使うとより効率よく栄養を与えられます。
・期間は10分~5日。できるだけ少ない回数で、最小限にとどめる!
・ペアリング後「ちょうど寿命が切れた」、「エネルギーを使い果たした」、「興奮状態でショックで亡くなってしまった」などで命を落とす個体も見受けられます。
ペアリングを嫌がる原因
・よくある3つのポイントと対処法
- メスがすでに経験済みである ⇒ まだ経験していないメスに変える
- オス、メスの両方、または片方がまだ成熟していない ⇒ 成熟するまで待つ
- オスとメスの相性が悪い ⇒ ペアを組みかえる
「成熟した」状態の見分け方
☆マット状を頻繁に動き回る
☆エサの食いつきが多くなる「良く動くなぁ」とか、「エサのヘリが早いなぁ」と思ったら『成熟した』可能性が高く、ペアリング可能な準備ができたといえます。
産卵
・産卵期間:1~2か月を目安にし、温度は25℃が理想
・飼育ケースの側面から幼虫が見え始めたら、一度取り出してみるのもよい。
・ニジイロクワガタは卵をたくさん産んでくれることもあるので、産卵セットをもう一度組み直して、再び産卵させることもできます。
産卵方法
*マットのみで産卵セットを組んだ場合
[産卵セットに使用するお勧めマット]:くわマット、完熟マット
[産卵に使用するケース]:グリーンケースS~M
[産卵管理温度]:25℃前後
[水分量(湿度)]:多からず、少なからず ※マットを手で握って固まり、水が染み出ない程度。
[セット方法]:ケースの底面からの深さを7割まで硬く詰める。
残りの1割程度はふんわりとし、そこにゼリーや樹皮・木片を埋め込みます。
*材を使用して産卵セットを組む場合
[産卵に使用するマット]:くわマット、完熟マット+材1~2本程度
材はクヌギ材・コナラ材など
[産卵ケース]:グリーンケースS~M
[産卵管理温度]:25℃前後
[水分量(湿度)]:多からず、少なからず ※マットを手で握って固まり、水が染み出ない程度。
[セット方法]:ケースの底面からを固く詰めて、その上に材を入れ、その周りも固く詰める。上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れます。
材の頭が少し出るようにセットします。
2本を並行に置いてもいいし、Tの字にセットしても構いません。
〇マットだけでも十分産卵しますが、材を入れた方が良いという方もおられます
材は柔らかめの材質の物をお勧めします。
〇セットしてから役1か月半もすれば、ケースの側面や底面に幼虫が見えてくることでしょう。
〇ただし、材で産卵した場合は、材の中に入り込んでしまっている場合も多いので、外側から卵や幼虫が確認できない場合も多々あります。その場合は2カ月程して、一度材を掘り出してみてください。材に産卵の形跡があればそのまま割り出しを行ってもよいと思います。
幼虫の割り出し
・産卵した卵は、一つ一つ丁寧に探し出し個別に管理をするために菌糸ビンのミニ~小に1匹ずつ分けていれます。
この時樹皮や木の中、ケースの隅々まで見落とさないように探すことが大切です。
卵を育ててみよう
・無事に割り出しが終わったら、個別にて幼虫の飼育を開始します。
この時使用するのはE-800菌糸ビンで、幼虫が孵化したての初の場合は、産卵に使用したマットにて大きくなるまで飼育をお勧めします。
・適温:23~25℃ 30℃NG!
・幼虫期間は個体差や性別による差がありますが、早いケースでは4カ月、遅くとも8カ月程度で羽化まで持っていけます。
・スプーンなどで幼虫を菌糸ビンの中に入れます。
幼虫の蛹化
・幼虫が蛹(サナギ)になったら、安静にしておくことが重要です。
むやみにほじくり出したり、揺さぶったりすることは控えてください。
・温度も幼虫飼育と同じ管理で行うことをお勧めします。
30℃を越す高温は避けるようにしてください。
羽化に成功したら
・後は羽化を待つだけです。蛹になって4~8週間して羽化します。
体が固くなるまでさらに4週間ほどかかります。
柔らかい状態で動かすのは良くないので、ちゃんと硬くなってから飼育ケースに移しましょう。
まとめ
羽化に成功しましたら、七色に輝くニジイロクワガタをじっくりと堪能してください。
人間が創造したものではなく、長い年月をかけて進化したと思われるこの輝きこそ、野生生物の偉大さだと思います。
この価値を感じられることは飼育の醍醐味です。
あなたもこの醍醐味をぜひ味わってください。